データ分析を学習する過程で避けて通れないのが「対数」の理解です。ところが、高校の数学で公式の暗記に終始しているからか、対数を苦手とする学生は後を絶ちません。対数を苦手とする学生は、対数が一体何の役に立つのか、疑問符だらけで授業を受けているのではないでしょうか。
そこで、対数の特徴を理解し、データ分析における対数の典型的な使い方を修得し、さらには対数の奥深さを垣間見ることを目的として、いくつかの記事・資料を紹介していきます。
1.対数をグラフの目盛りから考える
まずは、この動画を見てください。
手前味噌で申し訳ありませんが、私のある授業動画の一部を抜粋したものです。グラフの目盛りを対数表示に変換すると何が起こるのか、という視点から「対数」の特徴を説明しています。
2.対数の数学的基礎
特徴を大掴みにするために直観的理解はとても大切ですが、数学的な基礎を学んでおくこともそれと同じくらい重要です。
対数に関する初歩的な数学の解説はネット上に数多ありますが、私のお薦めは次の記事です。分かりやすく対数の性質を説明し、基本的な公式を示し、対数関数の微分・積分まで教えてくれます。「その1」とありますので、続編が期待されます。
「「対数」に、もう一度興味・関心を持ってみませんか(その1)」ニッセイ基礎研究所コラム(保険研究部研究理事 中村亮一)
3.対数と弾力性
データ分析、とりわけ回帰分析を行うにあたって、変数を自然対数に変換すると、係数として弾力性を推定できることはよく知られています。このことは対数関数の微分公式を知っていれば、簡単に確認することができますが、対数が苦手な人や数学そのものが苦手な人には厄介かもしれません。そんなときには次の記事が参考になります。自然対数に変換することの意味を懇切丁寧に解説してくれます。
「対数変換を行う意味について。回帰分析において対数変換する背景にある前提とは?」アタリマエ!
「対数(自然対数)を理解しよう!-対数の定義と分析結果の解釈について-」ニッセイ基礎研究所コラム(生活研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中)
4.e、自然対数の底、ネイピア数
最後はeの話です。自然対数の底がe(e=2.71828・・・)と表されることはよく知られています。eの性質はとても興味深いものですが、それを直感的に理解するのはなかなか骨が折れます。そんな人には、ネイピア数とも呼ばれるeの性質を簡潔に解説したこの記事が有益だと思います。
「ネイピア数eについて-ネイピア数とは何か、ネイピア数はどんな意味を有しているのか-」ニッセイ基礎研究所コラム(保険研究部研究理事 中村亮一)
また、その続編である以下2つの記事では、ネイピア数eが身近な問題や現実の問題とどのように関係するのかを紹介しています。
「ネイピア数eについて(2)-ネイピア数は身近な数学的な問題の中でどのように現われてくるのか-」ニッセイ基礎研究所コラム(保険研究部研究理事 中村亮一)
「ネイピア数eについて(3)-実際の社会における自然現象等の表現において、どのように現れてくるのか-」ニッセイ基礎研究所コラム(保険研究部研究理事 中村亮一)
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