2020年5月6日水曜日

経済学が初めての(苦手な)人のための教科書リスト

 大学の講義の初回には、指定の教科書に加えてお薦めの図書を示し、各書の特徴を説明する光景がよく見られます。このブログの初回はそれに倣って、経済学を初めて勉強する1年生、すでに勉強したけれど苦手意識を克服できない2年生以上を念頭に、教科書リストを書いてみました。
 学部3・4年生向けの中級や大学院への橋渡しとなる上級も記しましたが、これらは初めての人や苦手な人が手を出してはいけない教科書リストと理解してもよいでしょう。
 なお、これらのリストは私の経験と主観に裏打ちされているに過ぎないので、どの大学でも通用する一般性を有しているかは定かでありません。

●入門中の入門
教科書らしきものを読むのが大の苦手で、とにかく簡単なものという方向け。
小塩隆士(2002)『高校生のための経済学入門』ちくま新書.

ミクロ経済学の入門へうまく誘導してくれます。
坂井豊貴(2017)『ミクロ経済学入門の入門』岩波新書.

●入門:ミクロとマクロを包含した入門教科書で、どれも似た内容です
N.G.マンキュー(2019)『マンキュー入門経済学 第3版』東洋経済新報社.
伊藤元重(2015)『入門経済学 第4版』日本評論社.
J.E.スティグリッツ・C.E.ウォルシュ(2012)『スティグリッツ入門経済学 第4版』東洋経済新報社.

●ミクロ経済学
<入門>明治大学商学部の必修科目「経済学A」程度
伊藤元重(2018)『ミクロ経済学 第3版』日本評論社.
安藤至大(2013)『ミクロ経済学の第一歩』有斐閣.
N.G.マンキュー(2019)『マンキュー経済学I ミクロ編(第4版)』東洋経済新報社.

<入門の次>明治大学商学部の1・2年生向け「ミクロ経済学」程度
P.クルーグマン・R.ウェルス(2017)『クルーグマン ミクロ経済学 第2版』東洋経済新報社.
D.アセモグル・D.レイブソン・J.リスト(2020)『ミクロ経済学』東洋経済新報社.
S.レヴィット・A.グールズビー・C.サイヴァーソン(2017)『レヴィット ミクロ経済学 基礎編』東洋経済新報社
八田達夫(2008)『ミクロ経済学 I』東洋経済新報社.

<学部中級>学部3・4年生
八田達夫(2009)『ミクロ経済学 II』東洋経済新報社.
S.レヴィット・A.グールズビー・C.サイヴァーソン(2018)『レヴィット ミクロ経済学 発展編』東洋経済新報社.

<学部上級>大学院への橋渡し
神取道宏(2014)『ミクロ経済学の力』日本評論社.

●マクロ経済学
(入門)明治大学の必修科目「経済学B」程度
福田慎一・照山博司(2016)『マクロ経済学・入門 第5版』有斐閣.
平口良司・稲葉大(2015)『マクロ経済学――入門の「一歩前」から応用まで』有斐閣.
N.G.マンキュー(2019)『マンキュー経済学I マクロ編(第4版)』東洋経済新報社.

 <入門の次>明治大学商学部の1・2年生向け「マクロ経済学」程度
P.クルーグマン・R.ウェルス(2019)『クルーグマン マクロ経済学 第2版』東洋経済新報社.
D.アセモグル・D.レイブソン・J.リスト(2019)『マクロ経済学』東洋経済新報社.
柴田章久・宇南山卓(2013)『マクロ経済学の第一歩』有斐閣ストゥディア.

<学部中級>学部3・4年生
齊藤誠・岩本康志・太田聰一・柴田章久(2016)『マクロ経済学 新版』 有斐閣.
C.I.ジョーンズ(2011)『マクロ経済学 I 長期成長編』,(2011)『マクロ経済学 II 短期変動編』東洋経済新報社.

<学部上級>大学院への橋渡し
S.D.ウィリアムソン(2012)『マクロ経済学 I 入門篇』,(2012)『マクロ経済学 I 応用篇』東洋経済新報社.
齊藤誠(2006)『新しいマクロ経済学――クラシカルとケインジアンの邂逅 新版』有斐閣.

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